無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



その度に、朝倉がどこか怯えたような目をしていたから、衝動的に安心させたくなる。



だけど、俺にはそんなことをなすすべもなく、ただ見守ることしかできない。



……こんな同居相手でごめんな、朝倉。



そんな心配をしている俺の心を見透かしたのか、朝倉は俺をみて笑った。




「……ありがと、染野くん」


「……気にすること、ないから」


「ううん。

最初は、どうなるかと思ったけど……、同居相手が染野くんでよかったって、今は思う」




優しく破顔しながらそういう朝倉に、思わず息をのむ。



……嘘、だろ。



こんな俺に、朝倉はそんな言葉をかけてくれるのか……?



教室に足を踏み入れるのと同時に、俺は口を開く。




「あさく……」


「ちょっと玲奈!? どういうことっ!?」




その意味を聞くのと、感謝の意を口にしようとした。



だけどそんな俺の思いも虚しく、佐伯の言葉にさえぎられた。