無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「で、でもどういう心境の変化……?」


「染野くんって、朝倉さんのことが嫌いって有名だったよね……?」




俺、そんなことで有名なのかよ……。



てか、どうでもいいだろそんなの。



俺が朝倉といたいから一緒にいるだけだ。



朝倉もそんな会話が聞こえているのか、時々肩を震わせている。



……もしかして、朝倉って自分のこういう話、苦手?




「……朝倉」


「……っ、な、なに……っ?」


「もしかして、苦手? こういうの」


「え……っ」




朝倉はこくこくっとうなずいた。



あー、やっぱりか。



少しだけ怯えた表情してたもんな……。



自分の名前が聞こえるたびに、カバンを強く握りしめていた。




「じゃあ、ちょっとだけスピードあげるぞ」




俺はとっさに朝倉の腕をつかんで、スピードを上げて歩き始める。




「……っ」




朝倉から息をのむ音が聞こえてきたけれど、今は気にしていられない。