無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



琴葉ちゃんの言葉は、心の底から嬉しかった。


だから、私は琴葉ちゃんのことが好きになった。


もちろん、理由はそれだけじゃないけどね。



「確かになー。
でもあの子大人しいからさ、どういう子なのか分からなくない?」

「あ、それは分かる」



私を評価する男の子たちの声。


……聞こえてる、のに。


なんとも言えない胸のモヤモヤを感じる。


私は、なんて言われたかったんだっけ。


他人からどう見えるようになりたかったんだっけ。


大人しい子? それとも明るい子?


……いざそう言われると、分からない。



「……あの男子め。
玲奈のこと好き勝手言いやがって……」

「こ、琴葉ちゃん!?
わ、私は大丈夫だよ……?」



強い怒りを含んだ琴葉ちゃんの声音に、思わずたじろいでしまう。