無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



驚いている朝倉を無視して、俺は歩きはじめる。



……待たないなんて、意地が悪いと思われるかもだけど。



だけど、朝倉は小走りで俺の隣に並んだ。




「染野くん、どういう意味……っ?」


「一緒に行くよって意味」


「ええっ……!」




少し照れたような、戸惑ったような表情をしながらも、朝倉は大人しく俺についてくる。



……やっぱ、可愛い。



俺より20センチ以上小さい朝倉の方を見てみる。



その心境は分からないけれど、少しだけ硬い表情をしながら、カバンのひもをぎゅっと握っていた。



改札を通って、外へと出る。



うちの学園の生徒があふれかえっていて、ちらほらと視線を感じた。




「うそっ、染野くんと朝倉さんが一緒に……っ⁉」


「朝倉さん可愛い……っ!! 緊張してるのかな……」


「ピュアすぎでしょ……」


「二人とも、相変わらず美しい……」