「ちょっ、そ、染野くん……っ⁉」
「危ないでしょ、一人で立ってたら」
「あのっ、ど、どういう意味……っ」
「そのままの意味」
最初こそあたふたしている朝倉だったけれど、すぐに大人しくなった。
だけど視線は泳いでいて、あきらかに動揺していることが分かる。
あー、やっぱり、かわいい。
この短時間でそんな言葉がたくさんあふれ出す俺は、やっぱりどうかしている。
そのとき、電車がひときわ大きく揺れた。
「……わっ……!」
朝倉は、バランスをくずしたのか、そんな声をあげる。
そして、その体は俺にこつん、と当たって。
……完全に、密着している状態になった。
「……っ」
「ご、ごめんなさい……!
バランス、くずしちゃって……」
顔を赤くしながら、朝倉は俺から体を離した。
ドキドキ、と心臓が早鐘を打つ。
……っ、あー……。

