無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



そんな朝倉に、思わずふっと笑みがこぼれる。



それは、ホームについたのとほぼ同時くらいだった。




「大丈夫だから、そんなに慌てなくても」


「うぅ……っ」




あぁ、やば……。



真っ赤になっておろおろしている朝倉が、かわいく見えて仕方がない。



衝動的に、自分の手のひらを朝倉の頭にのせた。




「……っ!」


「そんな心配するなって言ってんの」




そろそろ俺、どうにかなりそうだから。



本当に、俺が俺じゃなくなるから。



朝倉のサラサラな髪の毛を、優しくなでる。



あ……、柔らかい。



サラサラなだけじゃなくて、とても柔らかい。



ふいにあのときのことを思い出した。



俺が寝ぼけて、朝倉をベッドに引き入れてしまったとき。



どこか柔らかいと感じたときの感触と同じで、腕の中にいたのは本当に朝倉だったんだと、今更ながらに思った。