無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



あー、もう……。



やっぱり、本当に……、俺らしくない。



今日だけでこのことを、何回思っただろう。



朝倉といると、俺の中の何もかもまでもが狂わされる。



ちょうど駅に足を踏み入れたとき、朝倉が小さく笑みをこぼした。



そのことに少しだけ驚いて、俺は朝倉に声をかける。




「……どうしたの」


「あっ、ご、ごめんなさい……!

つい……っ」




照れくさそうに、朝倉は人差し指で頬をかきながら、俺を見た。




「う、うれしくて……。

染野くんと、こうやって登校できるの……」


「……、えっ?」


「夢だったから……」




独り言のようにつぶやかれたその言葉に、思わず息をのんだ。



夢だった……?



二人で登校することが……?



だから、うれしい……?



なに、それ。



どういう意味なの。



そのままの意味だとするならさ。