無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



まるで、コーラから炭酸が抜かれたみたいに。



俺の根幹部分がなくなってしまうような、そんな感覚に陥る。




「……ごちそうさま」




手を合わせてそう言ってから、食器を流しへ入れた。



それから、お弁当の入ったカバンを持って、同じくカバンを持っている朝倉のもとへと行く。




「……ごめん、待たせた。行くぞ」


「うんっ!」




やっぱり変に朝倉を意識してしまって、いつにもましてぶっきらぼうな言い方になってしまう。



でも、朝倉はそんなことなど気にしていないように、いつも通りの笑顔を見せてきたから、少しだけ安心した。



案の定、家から駅までの間の、俺たちの会話はなく、沈黙が続いていた。



本当なら俺は沈黙が苦手だが、なぜだか今の沈黙は苦しくない。



むしろ、心地いいと思うほど。



それもこれも、隣にいる相手が朝倉だからなんだろうか。