無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「んぐっ!?」


その男の子は、なんと図星をついたのだ。


おどろきのあまり、口に含んでいたご飯を変なところに詰まらせてしまって。



「ごほっごほっ」


「えっ、大丈夫? 玲奈」



と、琴葉ちゃんが心配そうにこちらをのぞきこんできた。


お弁当と一緒に持ってきていたお茶をそそくさと飲んで、咳を落ち着かせる。



「ご、ごめん! 大丈夫!」

「そう、よかった」



と、琴葉ちゃんはにっこり笑った。


う、か、かわいい……。



「朝倉さんならありえそうだよな。
だってあの外見だよ?
そりゃあの羽柴先輩がほれても無理ないわ」



……外見。


胸がチクリと痛んだ。