「……っ、玲奈」
「……なぁに……?」
「ちゃんとかわいい、から。
俺からして、玲奈は」
本当に、心臓が止まったかと思った。
ど、どうしちゃったの、染野くん……っ。
染野くんから、かっ、かわいいなんて言われることがあるなんて、思わなかった……。
それから、私の心臓はとくんっと跳ねた。
まるで染野くんへの恋心をほのめかすかのように。
……ねぇ、私。
やっぱり、染野くんのことが好きだよ。
この想いを、目の前にいる彼を、大切にしたいって思う。
「ねえ、玲奈」
「な、なに……っ?」
「どうして、佐藤とあの先輩のことは名前で呼んでるの」
へ、なんて間抜けな声を出してしまった。
琥珀くんは幼なじみだから、幼いころから自然と下の名前で呼び合っていた。
颯太先輩には、確か「颯太って呼んでね」って言われたんだっけ。

