「朝倉……っ」
「……っ‼」
すると、私はなぜか染野くんに腕をとられて。
……壁へと押されてしまった。
私の両耳のすぐそばに、染野くんが手をついている。
……いわゆる、壁ドン。
「ちょっ、そ、染野くん……っ⁉」
あまりに近い整った顔に、心臓がばくばくと音を立てる。
ち、近いよ……っ。
な、なんでこんなことになって……っ!
顔には熱が集まって、ぽかぽかと熱い。
真っ赤になっているのが分かってしまうほど。
「染野、くん……っ、なに、して……」
うまく目を合わせることができなくて、視線を逸らす。
「ねぇ、朝倉」
「な、なに……っ?」
「佐藤と一緒にいたの、さっきまで」
「……え」
どうして、染野くんがそんなことを聞くんだろう……。
私と染野くんと琥珀くんの間に、何の関係があるっていうんだろう。

