「その感じ、琥珀も玲奈ちゃんのこと……」
「ちょ、先輩から言わないでください。
後々俺から直接言うんで」
「おーそっかそっか」
……ど、どうしよう……っ。
二人が話していることが、まったく理解できない……っ!!
理解力って、どうやったら上がるんですか……。
でも、なんとなく二人がバチバチしているのは分かる。
何を争ってるんだろう……?
「はい、じゃあ琥珀だけ払ってね」
「……はぁ」
あからさまなため息をついて、琥珀くんはお金を払っている。
相変わらず二人の間にはただならぬ雰囲気が漂っていたけれど、私と先輩は手を振りあいながらお店をあとにした。
琥珀くんと二人で家路をたどりながら、私は不思議に思っていたことを口にしてみる。
「ねぇ、琥珀くん」
「どうしたんですか、玲奈さん」
「琥珀くんって、颯太先輩と知り合いなの?」

