無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



これは私が引くべき……っ?



ええいっ、もう、どうにでもなれ……っ。



少し投げやりな気持ちになりながらも、覚悟を決めた。



ぎゅっと目をつむり、私は小さく口を開けた。




「……ん、えらいですね、玲奈さん」




琥珀くんのそんな声とともに、口の中に甘い味が広がった。



おそるおそる目をあけると、穏やかな笑顔で私を見つめている琥珀くんがいた。



手に握られているスプーンには、もうパフェは乗っていなくて、私が食べさせられたことを悟る。



口の中に広がっているこの味は、いちごパフェのものだったんだ。



甘い……。



琥珀くんってば、急にどうしちゃったの……。



琥珀くんもなんだか、甘い。



……甘いよ。




「玲奈さん」


「なっ、なに……っ?」


「間接キスしたって、気づいてます?」


「間接、キ……っ⁉」




キス、とは恥ずかしくて言えなかった。