琥珀くんのゆったりと丁寧に紡ぐ言葉。
それを一音も聞き逃さないように、私は静かに耳を傾けていた。
……はずだったのだけれど。
タイミングが悪く、琥珀くんが話している途中で、料理が運ばれてきてしまった。
店員さんが丁寧にテーブルに並べてくれる料理を、複雑な気持ちで眺める。
……分かってる、料理は悪くないよ?
『玲奈さんが、俺のこと──』
ねえ、琥珀くん。
この言葉の続きはなんだったの?
「んー、遠慮する必要がなくなったって、言ったらいいんでしょうか」
「……へ?」
あれ、心の中でつぶやいたはずなんだけど……。
も、もしかして声に出てた……っ?
「あっ、玲奈さん心の声もれてたんで」
「……っ」
恥ずかしい……。
心の声は、きちんと心のなかでとどめておくようにしないと……。
遠慮する必要がなくなったって、どういうことだろう?

