無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



ああ、染野くんはこんなにうれしい言葉を私にくれたんだ。



思わず頬が緩んだ。



叶わない恋だって分かっているのに、なんだかすごく穏やかな気持ちだ。



……なんでだろう。




「玲奈さん、今、だれを思い浮かべてるんですか?」




琥珀くんの声で、はっと我に返った。



その声は少しだけ震えていて、切なそうな瞳で私を見つめていた。



ドクンっ、と心臓が跳ねる。




「……俺だったらいいな、なんて思うんですけどね」


「ご、ごめん……。今、なんて……?」


「いえ、内緒です」




ええっ、気になるよ……!



私を見ていたずらっ子のような笑みを浮かべたあと、琥珀くんはまっすぐに私を見つめた。




「反応からして、いるんですね、好きな人」


「え……っ!」




思わず、驚きの声をあげる。



な、なんでバレてるの……っ!



わ、私そんなに分かりやすいかな……。