無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



……あっ、この声は、琥珀くんのものだ。



そう確信しながら、私は声のした方を振り返る。



そこには、案の定優しい顔をした琥珀くんが立っていた。




「琥珀くん……っ!

今日は誘ってくれて、ありがとうっ」


「そんな、気にしないでください。

席とっておいたんで、行きましょう」


「うんっ……」




やっぱり、琥珀くんってすごく優しいし、接しやすい。



柔らかい雰囲気をまとっているからかな……。



琥珀くんといるのは、まったく苦じゃないんだ。




「ここです、玲奈さん。

さっそくですが、何頼みますか?」




琥珀くんが誘導してくれた席に、向かい合わせになるように腰かける。