無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



と、琴葉ちゃんが話題を戻す。


確認すると、私より一足早く、琴葉ちゃんはお弁当を食べ進めていた。


お昼休みの時間が残り少ないことを再認識して、今までよりも少し早いスピードでお弁当を食べる。



「三年生が羽柴先輩って言われてるの」

「ええっ⁉」



えーと、えーと……。


つまり私は、その三年生の王子様に告白されたってこと……?


いや、いやいやっ!


そんなの、何かの手違いに決まってるよ……!


え、だって、颯太先輩が王子様……。


えっ……?



「だからね、玲奈。

羽柴先輩は三年生の王子様って言われてるから、この学校で先輩のことを知らなかったのは、玲奈くらいだと思うわよ」