顔に少しずつ熱が集まってくる。
で、でもあながち間違ってない……よね?
だって、染野くんは私にとっての好きな人で……。
ああっ、もうっ、この話終わり!
一人騒がしい脳内を、強制的にシャットダウンさせる。
「なに一人で百面相してるのよ、玲奈」
「ひゃ、百面相……⁉ そんなことないよっ」
……って、思いたいけど。
琴葉ちゃんの向かいの椅子に腰かける。
そして、琴葉ちゃんの机にお弁当を広げた。
箸を取り出して、お弁当の中身を少しずつつまみながら食べていく。
「いや、がっつりしてたけどね。
それで、王子様っていうのは」

