「あ、朝ご飯、用意してます……っ!
起きないと、あのっ、そろそろ遅刻の危機です……」
朝ご飯……?
用意してくれてんのか。
そういえば、料理が好きだとか言ってったっけ。
朝ご飯なんて、別にいいのに。
食べる日より、食べない日の方がダントツで多い。
それに遅刻の危機って。
言葉が面白いな……、
俺は朝が得意じゃないから、前の家でもこうやっていつも起こされていた。
今日ばかりはさすがに早く起きようと思っていたのだけれど……、ダメだったみたいだ。
「私、先に一階に下りてますっ」
そう言ったかと思えば、朝倉は勢いよくドアを開け、廊下へと飛び出した。

