すると、朝倉は、素早くそばのドアノブに手をかけ、俺に背を向けた。




「あのっ、わ、私、起こしにきただけで……っ」




いつもより少し早口になりながら、うわずったような声で朝倉は説明をしだす。



起こしにきた……?



今は何時なんだろう。



起こしにきたってことは……、そうとうやばい時間なんだろうな。



起こしにきた〝だけ〟だということは、きっと俺が強引に朝倉をベッドに引き寄せたんだろう。



多分、無意識に腕とかつかんでたんだろうな。



うわ……、何してんの俺……。



さんざん朝倉のことを嫌いだとか言っておいて、こんなことをするとかありえないだろ……。