好きな食べ物は、意外にかわいいかも。
なんて思ってしまったことは絶対に口にはしないし、秘密だけど。
もう六時半すぎてるし……、今から揚げ物だと時間がかかるよね。
「えっと……、時間がないので、今日はハンバーグにしますね!
明日はからあげにします!」
胸の前で小さくガッツポーズをして、笑顔で染野くんに言う。
「……っ」
そんな私を見て、息が詰まったように、染野くんは眉を下げた。
あれ……、嫌だったかな……。
今日がからあげの方が、よかったのかな……?
「あの、嫌でしたか……? ハンバーグ……」
おそるおそるたずねてみる。

