無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「こ、琥珀くん、ごめんねっ」

「え……?」

「あの、嫌な気分にさせちゃったなら……」



私の言葉に、琥珀くんの視線が私に戻ってきた。


そして、どこか真剣なまなざしで私のことを見つめる。



「嫌な気分になんて、なるわけないです」



と、琥珀くんは私にはっきりと告げた。



「だから、謝らないでください」

「わ、分かったっ」

「だけど、玲奈さん」



どうしたの、と返事をする。


どこか熱を持ったその瞳にとらえられてしまって、目をそらすことができない。


いまだかつて見たことがないような表情に、どくりと心臓が音を立てる。



「──不意打ちって、知ってますか」