「はい。
お金が何枚か落ちる音が聞こえた後に、誰かがしゃがみこんで必死にあたりを見回したり、急いで拾ったりしてたから。
誰かと思って見てみたら、玲奈さんでした」
琥珀くんが、肩を震わせ、声を出して、ははっとどこか面白そうに笑った。
ひ、ひどい……っ。
私は、あのとき結構必死だったのに……っ。
でも、それにしても。
どうして琥珀くんは、私が落とした500円玉を見つけられたんだろう?
多分、私の近くに落ちていたわけではないはずなのに。
「ねえ、琥珀くん」
「はい」
「そのお金、どこに落ちてたの?」
不思議に思ってそう尋ねると、琥珀くんは「ああ」と一言つぶやいた後、私にほほえみかけた。

