「起立、礼」



授業終了を示すチャイムと、学級委員長の号令。


……やっと午前の授業が終わった。


昼休みになって、がやがやと騒がしくなり始める教室の中、私は一人机に突っ伏した。



「あーっ、やっとお昼だぁ……」

「よかったわね、玲奈」



力なく吐いた私の独り言は、琴葉ちゃんに丁寧に拾われた。


朝ご飯を食べなかった私は、おなかがすいて授業どころじゃなくて。


ときどき鳴るおなかの音が聞こえていないかどうか、ずっと気にしていたり。


早くお昼休みにならないか、何度も何度も時計を確認したり。


ずっとそんなことばかりしていたから、今日の授業内容なんて全く分かりはしなかった。


なんの教科をしていたのかさえ覚えていない。


しかも、後々気づいたのだけれど、今朝はお弁当を作るのを忘れていたんだ。


いつもは夜ご飯の残りをお弁当に入れたりしているのに、昨日は冷凍食品だったから何も残りがなかったの。