じゃないと、彼がこんなことをする理由がない。
染野くんは、私の背中に回していた手をばっと離してくれた。
彼のぬくもりがなくなってしまったことを、寂しいと思う暇もなく、私はベッドからぴょん、と飛び降りる。
「あのっ、わ、私、起こしにきただけで……っ」
染野くんに背を向け、ドアノブに手をかける。
そしてそのまま、誤解を招かないようにと、とっさに状況を説明した。
恥ずかしさでいっぱいで、顔なんて合わせられそうにない。
「あ、朝ご飯、用意してます……っ!
起きないと、あのっ、そろそろ遅刻の危機です……」
染野くんが寝ていて、説明できなかったことをもう一度説明する。

