「…ん」


「星奈…?星奈!やっと起きた。どこか痛いところはない?」



目を覚ますと、心配そうな顔をした心虹が顔を覗き込んできた。



ゆっくりと辺りを見渡す。


清潔感で統一された部屋で、私の腕には点滴のようなものがつけられていた。


ここは…病院だろうか。



「…琥珀、琥珀は!?」


「琥珀先輩なら大丈夫だよ。頭を強く殴られたみたいだけど、幸い大きな後遺症も何もなくて安静にしてればそのうちよくなるって」


「よかっ…た…っ」



堪えていた涙がぶわっと溢れてきて、心虹が優しく抱きしめてくれた。



「星奈もショックで倒れちゃって、一日ずっと寝たきりだったんだよ。琥珀先輩を殴った人は今は謹慎してるけど、そのうち退学処分になるみたい。ヤクザとお金のやり取りをしていたから警察沙汰にもなってるらしいよ」


「そう…。琥珀は、どこ?」