この一歩も君となら



 こうして無事に今日の六時間の授業を終える。
 
 帰りにどこかでスイーツを食べようという葉月の誘いを申し訳ないが断って私は一人暮らしの家へ足を進めた。
 私はお金がないし、そもそも葉月は友達という認識はしてない。「お金がないなら私が奢るから行こーよー!!!」と何回もねだられたことがあるが少なくとも過去二十五回は断った。
 別に彼女のことが嫌いとかでは全くない。
 むしろ、こんな地味なやつに話しかけて仲良くして、とてもいい子だと思う。でも特に友達とやらに興味はない。