懐かしいなー。
この本は保護施設にいたときにずっと読んでいた本で、引き取られた時に唯一の思い出としてもらったものなのだ。
『てぶくろ』という物語で、内容はひとつの落とし物の手袋に次々と動物が入っていって、最終的には家のように立派になった手袋にたくさんの動物たちが入っているという、なんとも幼稚園児が読みそうな心温まる本である。
でも今になればなぜこの本を私がずっと肩身離さず持っていたのかがわかる。
きっと、寂しかったのだろう。家族もいない、友達もろくに作れずずっと一人でいた私は。
今はなんてことないが、やはり一人では辛い時もあるのだ。
それでこの本を読んで動物が次々と仲間を増やしていく姿に憧れていたんだ。


