この一歩も君となら


 私は今までにも友達を作ったことがない。一人で生きていけるから。
 
 恋人とか彼氏も作ったことがない。必要ないから。
 
 両親が私が産まれてすぐ亡くなってる私は、児童養護施設で育ってきた。
 父や母に兄弟がおらず祖父母兄弟、誰もいないい状態らしかった。

 いいことなんてひとつもなかったけど、もうそんなこともどうだっていい。というか人生もうどうだっていい。

 今まで両親がいないなか生きているせいか、障害ではないのだが、人何倍もマイナス思考なのだ。
 実際、小学生なんて児童養護施設で育ったくせに母に似て人並みに整った容姿から男子には好かれていた私などいじめの標的に最適だったのだろう。

 悪口は言われない日はなく、まだかわいい方だ。ひどければ机や椅子、持ち物が全てなくなっていた日もあった。

 あまり思い出したくもない小学ニ年生の頃だ。私にとって今まで大人に甘えるということなど知らなかった。

 でもその時は違った。もう教師に頼らなければいけないほどいじめはより陰湿になり、エスカレートしていたのだ。