「っっ、」 ぞっとするような想像に、吐き気が込み上げる。 なぁ、兄貴。 今、こんな気持ちなのか? 莉茉さんの無事を願い。 何よりも大切な人を失うかもしれない恐怖を味わって、戦っているのか? 「………………朔くん…?」 神無の肩に自分の額を押し付ければ、困惑したような声で呼ばれる。 「………、大丈夫、朔くん?」 「………っっ、」 訳も分からないだろうに、俺を労る神無に愛おしさが募っていく。 ………失えない。 俺の唯一無二の、神無だけは。 ーーーーーー何があっても。