「朔くん、早く出ないと。」 「………、うん。」 慌てて促せば、朔くんは渋々、自分の携帯電話を、耳に押し当てる。 「ーーーーーはい?」 通話を始めた朔くんの腕の中で、横目を滑らせて、私は窓の外を眺めた。 寂しくて。 孤独に溢れていた、あの頃。 ………………でも。 今は、朔くんが私の側にいてくれるから、こんなにも幸せを感じられる。 あの頃の、痛みや苦しみ、孤独があったからこそ、気付く事が出来た。 ………そう、私は思ってる。 全てにおいて、意味のない事など、ないんだ。