「………ねぇ、暁?」 客が途切れた瞬間、莉茉が俺の袖口を引く。 「うん?」 「あの、化粧室に行って来ても良いかな?」 莉茉が頬を染める。 「化粧室?」 「うん。」 「分かった。」 莉茉の言葉に、高崎の組員に目で合図を出してから、俺は頷く。 「なら、行って来い。」 「ありがとう。」 にっこりと微笑んだ莉茉が背を向け、扉の方へと歩き出す。 「若頭。」 その後ろ姿を横目に、近付く知り合いに意識を切り替えた。