「っ、そう、ね。」 そんな頼さんに頬を染めた私は、いつまで経っても敵わないんだろう。 狡い人。 それでも、私にとって、頼さんは唯一無二の愛おしい旦那様。 だから、昔の事は、許せてしまえるのよね。 まぁ、今も私以外の女に目を向けるなら、容赦はしないけれど。 これが、惚れた弱みなのね。 ………悔しいけれど。 「ふっ、さぁ、時間だ。」 差し伸べられる、頼さんの手。 「あら、もう?」 もっと話したかったのに。 少しむくれながら、私に差し伸べられた頼さんの手を取った。