寵愛の姫 Ⅳ  【完結】



「………神無は、雨は嫌い?」

「ううん。」



首を横に振った私は、朔くんに淡く微笑む。



「私、雨は好きよ?」



あの広い家に1人でいた頃から、降り頻る雨の音が好きだった。






静まり返った部屋の中で、それが唯一、私の孤独感を紛らわせてくれたから。






一人ぼっちじゃないんだって。






雨は、寂しさを癒してくれた。










私にとっての、子守唄。



「雨の音って、一人ぼっちじゃないって、慰めてくれているみたいじゃない?」

「………、神無…。」



言葉を詰まらせた朔くんに、私は小さく笑って、その胸に凭れ掛かった。