「………、茉莉、私ね?」 遠い昔を思い出すかのように、ゆっくりと、莉茉が言葉で紡ぐ。 私の知らない、貴方の事を。 うぅん、違う。 私は、知ろうとしなかった。 大切な、姉さんの事を。 「これまでずっと、自分だけが苦しんで、不幸なんだと思ってた。」 そう、莉茉に思わせたのは、間違いなく私で。 ねぇ、姉さん。 そんな私に、優しく語りかける貴方に、胸が痛いよ。 自分の仕出かした罪の重さと息苦しさに、 ーーーーこのまま、溺れてしまいそうだよ。