「……何で、暁に電話するの?」 怪訝に顔を上げれば、優しい眼差しで暁は私を見つめていた。 「直ぐに、俺が莉茉を迎えに行ってやる。」 「え…?」 目を丸くする。 迎えに…? 「……っ、でも、お父さんとの約束なのに…。」 「俺にとっては、親父との約束よりも莉茉の方が大事なんだよ。」 「………暁…。」 引き寄せられ、ゆっくり包み込む暁の腕に、私は素直に身を任せた。