「っ、莉茉ちゃん、沢山食べてちょうだい。」 「はい、食べるのが楽しみです。」 動揺するお袋に笑いながら箸を手に取り、目の前に並ぶ料理を見て、莉茉が瞳を輝かせた。 「……、あの、お母さん。」 「あら、なぁに?」 「実は、お願いがあるんですけど…。」 おずおずと切り出す莉茉に、お袋は不思議そうに目を瞬かせると、首を傾げる。 「お願い?莉茉ちゃんが私にかしら?」 「はい、今度、料理の作り方を教えてもらえませんか?」 唐突な提案に目を丸くしたお袋は、直ぐに優しい眼差しを莉茉へと向けた。