唯一の救いは、会話に夢中で莉茉がそれに気が付いてないって事だな。 「…………、もう、頼さんったら。」 親父のお世辞に、年甲斐もなく頬を染めるお袋。 「うん?美夜、本当の事だろう?」 「でも、恥ずかしいわ。」 「そうか?」 恥ずかしがるお袋を、愛おしむように見つめる親父。 年がら年中、いちゃつく2人に俺はげんなりとするしかない。 「お父さん達、とても仲が良いんですね?」 くすくすと笑う莉茉に、親父は気まずそうに目を宙に向け、お袋は照れくさそうに微笑んだ。