寵愛の姫 Ⅲ【完】



「お父さん、お招きありがとうございます。」


「いや、私も莉茉さんに会いたかったからね。」



頭を下げた私に、お父さんは照れくさそうに笑った。



「さぁ、莉茉さんも座りなさい。」


「はい。」



促されて、お父さんの隣に座る。



「莉茉。」


座って直ぐ、暁に名前を呼ばれ、お父さんから暁に視線を向けた。



「何?」


「朔だ。」



暁の視線の先を辿れば、お父さんよりもお母さんに面差しが似た、にこやかな笑みを浮かべた青年にいきつく。