「莉茉、大丈夫だ。ちゃんと俺がいる。」 「………、うん。」 真っ直ぐに私の顔を覗き込む暁に頷いて、ゆっくりと室内に震える足を踏み入れる。 歩く間も集まる視線。 行きぐるしさが半端ない。 それでも、どうにか辿り着いたお父さんの前。 「やぁ、莉茉さん。良く来たね。」 穏やかなお父さんに、ほっとしてしまった。 やっぱり、組員さん達の反応がまだ怖いけど。 そこは追々、慣れていきたいと思う。