寵愛の姫 Ⅲ【完】




むりむり。


絶対に無理だから。


「…っ、暁……。」



気が付いたら、すがるように暁の服の裾を無意識に握り締めていて。




若干、涙目になっている気がした。



「莉茉?」



気遣うような暁の声さえも、頭が真っ白になって固まる私には、全く届かない。





別に、厳つい組員さん達がそんなに怖いんじゃなくて。





ただ。



ーーーー暁の“家族”に嫌われた、どうしよう。