「さぁ、行きましょう。」 楽しそうなお母さんに手を引かれたまま、私は歩き出す。 他愛ない話をする私達の横で、暁が終始不機嫌だったのは、言うまでもない。 しばらくすれば、立派な襖が見えてくる。 「莉茉ちゃん、ここが大広間よ。」 お母さんが微笑みながら、立派な襖を開けた。 「っっ、」 中の光景に、私の顔が強張る。 広いその場所に、ずらりと厳つい顔をした組員さん達が勢揃いしていた。 …………この中を歩くの?