寵愛の姫 Ⅲ【完】



「さぁ、行きましょう莉茉ちゃん。」



お母さんに手を引かれて、必然的に座っていたソファーから立ち上がる。



「えっ?……、でも…。」



ちらりと隣に視線を向ければ、仕方がなさそうに暁も立ち上がった所で。




どうやら、一緒に行ってくれるらしい。




ほっとしていれば。



「大丈夫よ、莉茉ちゃん。暁が貴方を離す訳がないもの。」


「っっ、」



立ち上がった暁を見て笑うお母さんにこっそり囁かれた私は、顔を赤らめるしかなかった。