「…………大きい…。」 組員達を睨み付ける俺の隣から、呆然としたような莉茉の声が零れ落ちた。 「……?」 大きい? その、小さな呟きに、視線を隣に落とす。 莉茉の目は、俺の実家に向けられていた。 どうやら、さっきの呟きは、目の前の家についての事らしい。 「「た、助かった!!!」」 一方、 俺の睨みから解放された組員達が、安堵の息を吐いたのを、気付く事はなかった。