寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………茉莉、どうして?」



何で、こんな事を?







そんなに。



「………、私が、嫌い、なの…?」



殺したいほど。






………………茉莉は、私が憎かったのですか?



「………ふっ。」



笑っちゃう。




私は、こんなにも深く、茉莉に憎まれ、恨まれていたんだね?



「………っっ、違っ…。」



首を振って否定する莉茉の、その目からは、止めどなく涙が零れ落ちていく。






幾度も、ばらばらと、雫が散る。








それは、幻想的で。





ーーーーとても、綺麗だった。