「莉茉。」 先に車から降りた俺は、中にいる莉茉へと手を差し伸べる。 それは、いつもの事。 今までの俺だったら、絶対に有り得なかっただろう行動だけど、莉茉だけは別。 「………ふ、溺れてるな。」 漏れるのは、自嘲の笑み。 少しでも触れていないと、 その姿が見えないと不安になるぐらい、俺は莉茉という存在に溺れきっているのだろう。