寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………、そ、う。」


「うん、神無が心配する事はないよ?」


「分かった、朔くんがそう言うなら。」



あっけらかんと、思考を切り捨てた神無。






その瞳に、俺に対しての、絶対的な信頼が垣間見えた気がした。



「じゃあ、神無。」



にっこりと笑みを浮かべた俺は、神無の腰に手を回し、教室内へと促す。



「文化祭の続きだ。」

「うん、頑張らなくちゃ。」



ふふっと、楽しげに笑う神無に、俺は目を細める。








あの日。




孤独を抱えた神無の姿を、この桜樺で見た時、一瞬で分かった。




ーーーーあぁ、彼女が俺の、唯一無二だ、と。