寵愛の姫 Ⅲ【完】



「俺は、楽しめましたから。」



ここがポイントだよ?





傷口を、ざっくりと抉る効果がある。






(もてあそ)ばれてたなんて、男達にとったら、これ以上の屈辱はない。



「ふふっ。」



歪む男達の顔に、笑みが止まらないや。







まぁ、事実だし?





本当の事を言っただけの俺は、一切、悪くない。



「………そうか、分かった。」



硬質な雰囲気を纏った天野先輩が、もたれ掛かっていたドアから、その身を起こし、ゆっくりと教室内へと足を踏み入れた。