「俺は、楽しめましたから。」 ここがポイントだよ? 傷口を、ざっくりと抉る効果がある。 玩(もてあそ)ばれてたなんて、男達にとったら、これ以上の屈辱はない。 「ふふっ。」 歪む男達の顔に、笑みが止まらないや。 まぁ、事実だし? 本当の事を言っただけの俺は、一切、悪くない。 「………そうか、分かった。」 硬質な雰囲気を纏った天野先輩が、もたれ掛かっていたドアから、その身を起こし、ゆっくりと教室内へと足を踏み入れた。