寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ね、暁?」



必死に、お願いをする。




何もしないでって。






目で、暁に訴えた。



「ーーーーー分かった。」



甘く微笑んだ暁が、私の腰に手を回し、自分の方へと引き寄せる。




「莉茉、どこに行きたい?」



私を見下ろす暁の瞳は穏やかで、その身に纏っていた殺気も、綺麗に霧散した。



「えっと…。」


「うん?」


「少し、何か食べたいかな?」




それに、戸惑いつつ。





暁の気が変わらない内にと、私がリクエストすれば、額に落ちてくる口付け。