「………あの、駄目かな?」 暁の機嫌を窺う。 あの目は、本気だった。 私の身体がぞわりと粟立つぐらい、冷たく、男の子達に向けられた殺気。 どうにかして暁を連れ出さなくちゃ、教室内が血の海になっちゃう予感がする。 「暁と文化祭を回るの、私、楽しみにしてたんだよ?」 これは、本心。 その為に、嫌な接客も頑張った。 「ねぇ、良いでしょう?」 引きつる笑みを浮かべる。 そんな私を、無言の暁が、じっと見下ろした。